第1章 三人の錬金術師
『私は太陽神の代理人にして、汝らが父―――』
「………ラジオで宗教放送?」
そこに疑問を思ったのは、どうやら私だけではなかったようだ。
「神の代理人……って、何だこりゃ?」
「あの、それ私の朝食なんですが……」
朝食のつもりで頼んだご飯は、なぜかエドワードくんの口の中に消えていた。
「食わねえから。食っていいんだと思ってた」
「放送を聞いていたんです。聞き終わったら食べようと思っていたんです」
「兄さん、それはないよ。さんに謝って」
「あーあーあー!!同じの頼めばいいだろうがっ」
「そういう問題じゃないだろ。人のものを勝手に……」
「……あんたら大道芸人か漫才師か?」
「……違います。とりあえず、同じのもう一つ」
店主からみたらそう見えるのも仕方が無いが、国家公務員だと思われていないことにショックを覚えた。
いまだに口喧嘩をしている兄弟に「静かにしてください。恥ずかしい」と言えば、アルフォンスくんは「す、すみません」と大きな体を縮こませた。