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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第4章 錬金術師の苦悩





人の熱を持たない重っ苦しい鋼の義手。
全て話した。
自分たちの過去のことを。
口にだせば出すほど、自分たちの愚かさや咎人としての証が身に染みていく。

辛かったね。

タッカーさんはそう言った。
辛いとか、そんなの……。
そんなふうに思っていい資格なんて……。

「彼のこの身体は東部のあの内乱で失ったと上には言ってあるので、人体錬成の事については他言無用でお願いしたい」

大佐の言葉にタッカーさんは快く頷いてくれた。
ほっと胸を撫でおろしてオレとアルは顔を見合わせた。

そのあと、タッカーさんに案内され研究室へと赴いた。
そこは、合成獣らしきものが檻の中に閉じ込められていて、思わず引いてしまった。
合成獣の権威なんて言われているが、実際はそう上手くは言っていないと、タッカーさんは恥ずかしそうにそう言った。

「こっちが資料室」

次に案内された部屋にはたくさんの本がずらりと並んでいた。

「すげ~~~~~~」

思わず感嘆の声をあげる。
図書館で見なかった本ばかりが並んでいて、もしかしたらと期待の気持ちがこみあげてくる。
早速一冊手に取り、文字を追いかける。
すでにオレの耳には大佐の声も時計の音も何も聴こえなかった。
ただ、目の前の情報にだけ脳が集中していた。



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