第4章 錬金術師の苦悩
――エドワード・エルリックside――
肩口を銃で撃たれたは安静のためにということで早めに家に帰って、それを見送った。
アルと二人で顔を見合わせつつ、まぁホークアイ中尉も仕事が終わり次第帰ると言っていたし、必要以上に心配することはないだろうと結論付けた。
移動中の車内で、"綴命の錬金術師"の二つ名を持つショウ・タッカーさんのことを大佐から色々聞いた。
"遺伝的に異なる二種以上の生物を代価とする人為的合成"―――つまり合成獣錬成の研究者らしい。
2年前、人語を使う合成獣の錬成に成功しえこっか錬金術師の資格を取った人物だと言う。
人の言葉をしゃべる合成獣なんて聞いたことがなく素直に驚いてしまう。
大佐曰く、人の言うことを理解して喋ったと言う。
「ただ一言、"死にたい"と。その後、エサも食べずに死んだそうだ」
死。
その単語に、さっきまで浮ついていた心が急にずしんと重たくなった。
人の言葉を理解して、最初に喋ったのが"死にたい"だなんて……。