第4章 錬金術師の苦悩
「明日は必ず私も行きます」
「それは別にいいんだけどさ、やっぱり怪我が重症だったのか?」
「それはまた明日説明します。今は少しでも早く情報を収集したいのでは?」
エドワードくんは図星をつかれたのかそれ以上は何も言う事はなかった。
タッカーさんの家までは大佐が一緒に行ってくれるようでもう一度頭を下げる。
エルリック兄弟たちに「お気をつけて」と声を掛けて私は執務室を後にした。
リザさんも今残っている仕事が終わったらすぐに帰宅するとのことだった。
発熱や副作用が出た時すぐに対応できるようにと、大佐がリザさんにそう命じたのだ。
リザさんの家に向かっている途中、案の定熱が出てきた。
少し足元がふらつくから、33度くらいまで上がっているんじゃないかな。
家に着いて私はそのままソファに倒れる様に寝転がった。
薬を飲まないといけないとわかっているが、発熱していると自覚した途端、身体は鉛のように重くなって動くのがとても億劫だ。
そのまま熱に浮かされるまま、ゆっくりと深い深い夢の中へと沈みこんだ。