第3章 車上の戦い
しばらくすれば、列車は駅へと到着する。
駅のホームには笑顔の大佐と仕事モードのリザさんが私達を迎えてくれた。
「や、鋼の」
大佐の姿にエドワードくんは眉間に深く皺を寄せ嫌なものをみたような目をしている。
昔から彼は大佐のことを毛嫌いしている節があるが、それは今も変わっていないようだ。
「なんだね、その嫌そうな顔は」
「くあ~~~~~~!!大佐の管轄なら放っときゃよかった!!」
憲兵に犯行グループを護送車へ連れて行き、ハクロ将軍とご家族を病院へ搬送するように伝えながら、彼等のやり取りを横目で眺める。
憲兵の一人に怪我したところを治療するようにと言われたが、この場が収まってからでも大丈夫だと伝えようとしたとき、急に何かに引っ張られ身動きが取れなくなってしまった。
一体何が起きたのか、理解するのに時間がかかってしまった。
「この女をぶち殺されたくなけりゃ全員動くんじゃねぇ!!」
首元に感じる冷たい感触に、漸く理解が追い付いた。
主犯である男に私は捕まり、機械鎧に隠していたナイフを首元に当てられているんだ。
チクリとした痛みが走った。
暖かい液体が首筋を伝う。