第3章 車上の戦い
「……っ」
「貴様、軍の人間か?いいのか、俺達に反抗して人質がどうなっても」
撃たれた痛みで額に油汗が滲み顔が歪む。
真っ赤な血が床に滴り水たまりを作る。
「……あなたがたもいいのですか?こんなところで悠長に構えていて」
「負け惜しみか」
「どっちが」
瞬間、彼等の背後で錬成反応が起こる。
拡声器と水道管が壁から生え、エドワードくんの声が響く。
「人質のみなさんは物陰に伏せてくださいねー」
同時に車両に大量の水が流れ出た。
流されていく犯人たち。
咄嗟に錬成した手すりにつかまっていた私はなんとか流されずにすんだ。
隣の車両まで流された彼等はそこで待ち構えていたアルフォンスくんに確保された。
顔にへばりつく髪をかき上げ私はハクロ将軍の元へと急ぐ。