第3章 車上の戦い
この2人の他に、機関室に2人、一等車にハクロ将軍を人質に4人、一般客車の人質は数か所に集め4人で見張っている、とのこと。
「ありがとうございます。……らしいですよ、では人質を助けに行きましょう」
そう言って気が付いた。
空気が固まっていないか。
車内を見渡すと、乗客だけでなくエルリック兄弟もドン引いた瞳で私を見ていた。
「なにか?」
「なにかって……ちょっとやりすぎじゃね?」
「そうですね、流石にやりすぎました。でも、情報は引き出せましたよ」
「そういうことじゃ……」
「お説教は後で聞きます。今はそれどころではないでしょう。エドワードくんは上から、アルフォンスくんは機関室、私はは一等車へ向かいます」
ここで言い争いをしても何も始まらない。
私は彼等に指示を出し、乗客の安全と犯人の確保へと向かった。
一等車へ向かう前、私は私が傷つけてしまった男に視線を向ければ、大きく身体がびくつき私に対して恐怖を抱いているようだった。
「動かないでください。治療をします」
腫れあがった指に手を合わせれば淡い光に包まれる。
数秒後、折れた指は元通り綺麗に治り、それを確認し私は一等車へと走った。