第3章 車上の戦い
ここの車両を見張っていた男二人を拘束し、仲間の情報を引きだそうとするも、口を割らない男どもに私の痺れが切れた。
まだ意識のある男の胸倉を掴み、
「吐きなさい。あなたがたの我儘に付き合っていられるほど私は優しい人間でもなければ暇な人間でもないんです」
「はっ、女の分際で何を……ぎゃあああああっ!!」
「ああ、すみません。痛かったですか?」
舐めた態度で私を見るこの男が気に食わない。
だから右手の指を2本折った。
痛みに顔を歪ませる男の額には脂汗が滲んでいる。
「あまりこういうことは公共の場でやりたくないんですよ。みなさんの目がありますし。どうです?話す気になりましたか?まだ話せませんか、話したくないですか。そうですか。指だけでは満足できなかったようですね。腕、いってみますか?」
「は、話す!!話すから、やめてくれ……っ!!」
「物分かりのいい人で助かりました。嘘偽りなく仲間の数と配置を教えて下さい」
にこりと笑うと男は震えた声で数と配置を教えてくれた。