第2章 炭鉱の街
みんなが倉庫内でお酒を飲んでいる間、私は静かに外に出てホーリングさんが経営していたお店の前にやってきた。
権利書を手にしたからといってすぐにこのお店が元通りになることはない。
建築しなおすのにどれくらいの費用と月日が必要か。
この惨状に気づけなかったせめてもの贖罪。
私は手を合わせて地面に手を付いた。
青い錬成反応が焼け焦げた店を包み込む。
錬成後、最初と変わらない外見のお店が目に映る。
中も確認したが、問題はなさそうだ。
あとは、奥さんが持っている看板を飾れば明日にでもオープンすることができる。
私は小さく笑みを零し、また倉庫へと戻っていた。
そして彼等の出来上がり具合に呆れてしまった。
一体この短時間でどれほど飲んだと言うのか。
ほぼ全員顔を真っ赤にし、歌い踊っている始末。
上半身裸になっている人もいる。
無法地帯とはまさにこのことだろうな。
「あ、姉ちゃん!!」
カヤルくんが私に気がつき駆け寄ってくる。
ぎゅっと抱きしめられ、私も彼のことを抱きしめた。
「なぁ、俺もって呼んでいい?」
「ええ、いいですよ」
「やった!」