第2章 炭鉱の街
"錬金術"という言葉に、炭鉱の人たちは彼の元に壊れたツルハシや錆びて使えなくなってしまった工具などを持ち寄った。
それを次々に治していくエドワードくん。
新しい工具を買うお金もない彼等は治った道具を見て歓声を上げる。
よく見ると、店の隅に置いてある道具も大事に使おうという気概が見られる。
その事実に、胸がきゅうっと痛んだ。
「いやあ、嬉しいねぇ!久しぶりの客が錬金術師とは!」
ホーリングさんは本当に嬉しそうに私達の前に食事を運んできてくれた。
どうやら彼も昔は少しだけ錬金術を学んでいたらしい。
才能がなく諦めてしまったらしいが、錬金術を学んでいたよしみとツルハシを治してくれたお礼として代金をサービスしてくれると言ってくれた。
といっても、半額の15万だが。
「そういや、名前きいてなかったな」
「あ、そうだっけ。エドワード・エルリック」
名前を名乗った途端、ホーリングさんの雰囲気が変わった。
出された食事も下げられてしまう始末。
一体どうしたんだろうか。