第14章 鋼の錬金術師
まっすぐにばっちゃんを見ると、大きなため息を吐いた。
「何を言っても無駄みたいだね」
「うん」
ばっちゃんはまた大きなため息を吐いて、「じゃあ今日はもう寝な」と言って、部屋を出て行った。
また、あの夢を見てしまうんじゃないかと思ってなかなか寝付く事が出来なかったが、気付いたら朝になっていた。
熱も昨日より少し下がっていて、ほっと胸を撫でおろす。
が、それは一瞬のこと。
数時間後には手術の痛みがまたやってくる。
「ふぅ……」
深刻球を何度か繰り返していると、控えめに扉がノックされた。
ゆっくりと開く扉から顔を出したのはアルだった。
「アル……!!」
「今日、脚の手術だって聞いて……」
おずおずと部屋の中に入ってくる弟はどこか元気がない。
もしかしたら、ばっちゃんやウィンリィからオレの様子を聞いていたのかもしれない。
アルの視線がオレの右腕に繋がっている管へと移る。
まだ動かせないが、心配しているアルを更に心配させたくなくて、オレはいつも通りを装った。
「時間くっちまってごめんな。もう少し我慢してくれ」
「ボクのことは気にしないでよ。兄さんの方が手術大変なんだから」
「ばかやろう。こんなもん痛くも痒くもねえよ。だから心配すんな」
「うん」
アルと久しぶりに話をすると、腕の痛みが和らいだ気がした。
アルもまたどこか安心したように笑った。