第14章 鋼の錬金術師
ばっちゃんの言った通り、オレはその日の夜に高熱を出した。
朝になっても下がることはなく、ばっちゃんとウィンリィが交代で看病をしてくれた。
手術の痛みと熱にうなされながらも、頭の中はアルのことでいっぱいだった。
魂のみの鎧姿の弟と生身のアルが重なってオレを静かに見ている。
違うんだ、アル。
ごめん、アル。
そんな姿にさせてしまって。
こうなるなんて思っていなかったんだ。
早く、早く、オレが、元に戻してやるから。
だから、だから、オレのこと、恨まないでくれ。
はっと目が覚めた。
いつの間に、オレは寝ていたんだろう。
夢の中のアルが脳裏に過り、腹の奥がずしりと重くなり、心臓が冷たくなっていくのがわかった。
早く、早くと、気持ちばかりが急いでしまう。
だけど、オレの気持ちとは裏腹に熱はなかなか下がってくれないし、手術後の痛みが消えてくれなかった。
眠ってしまうと、夢の中のアルがオレをじっと見つめては、何かを喋っている。
なんて言っているのかわからなくて、アルの目が怖くて、オレはその度に飛び起きた。
「エド、大丈夫かい?」
その日、毎晩うなされているオレを心配したばっちゃんが夜遅くまで傍にいてくれた。
オレは「平気」と答えたが、きっとばっちゃんは気づいている。
それでも何も言わないばっちゃんに、心の中で感謝をするしかない。
「ばっちゃん」
「なんだい?」
「明日さ、やっぱり脚の手術もしてよ」
「何度も言っているだろう。熱が下がって体力が戻ってからじゃないと……」
「わかってるよ。でも……」
アルが待っているんだ。
これ以上待たせられない。