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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第14章 鋼の錬金術師








「ロックベルさん。私はこの子達に強制しているわけではありません」

ピナコさんの訴えに中佐は静かに答える。

「ただ、私は可能性を提示する!このまま鎧の弟と絶望と共に一生を終えるか!元に戻る可能性を求めて軍に頭を垂れるか!」

まるで、それは私にも言っているような。
このまま体温のないまま生きていくのかと問われているような気がしてならない。

「―――決めるのは君達だ」

そう言い、中佐は名刺と一緒に一枚の手紙を弟くんに渡し席を立ちあがる。
その時、私の目に彼の顔が見えた。
先ほどまで、絶望の淵に立たされ死んだような顔をしていたはずなのに。

今はどうだ。
覚悟と責任を背負い、全てを取り戻そうと前を向こうとする姿がそこにあった。

まだ子どもなのに。
何もかも失ったばかりなのに。

力強い金色の綺麗な瞳に、私は目が離せなかった。
怖くて、眩しくて、脳の一番深いところに焼き付いてしまって、忘れたくても忘れられない。






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