第14章 鋼の錬金術師
ロックベル家を後にし、荷馬車に乗って駅まで行く道中、ホークアイ少尉が「来るでしょうか、あの子達」と中佐に尋ねた。
「来るさ」
「たいそうな自信ですね。あのエドって子、再起不能の様な目をしてましたけど」
「そうかね?あれは―――焔の点いた眼だ」
中佐も見ていたのか、あの子の瞳を。
「、具合の方はどうかね?」
「……だいぶ落ち着きました」
「ならいい。随分無理をさせてしまったからな」
「いえ……」
中佐の含みのある言い方に、私は怪訝な表情を向ける。
何か言いたそうにする中佐だけど、私はそれを聞く前に口を開いた。
「国家錬金術師にはなりません」
「理由を聞いても?」
「…………失ったものを、罰だと思って抱えているだけです。取り戻そうとするあの子たちと、私は……違います」
軍に入ることで生きるだけの私と、軍を利用する彼らとでは……。
「そうか。君がそう言うのであれば、私はこれ以上何も言いはしないが……」
「まだ、なにか?」
「いや、なんでもないさ」
軽く笑う中佐に私はまた怪訝な顔を向ける。
この人のこういうところが嫌いだ。
自分だけわかった風な態度を取って、何も言わないところがすごく嫌だ。
それで、結局中佐の思い通りになってしまうこともあるから余計に。