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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第14章 鋼の錬金術師








「少し、お話があります」

中佐は、女性―――ピナコさんに向き直り、一つの提案を彼らに投げた。

「ホークアイ少尉は外で待機していてくれ。アールシャナ少尉はここに残るように」
「「はっ」」

部屋の外に移動した少尉を横目に、私は入り口の扉付近に待機をした。
なぜ、中佐がホークアイ少尉ではなく私をここに残したのか。
それは今から話す内容に関係している。
でも私は、それを受け入れる気は毛頭ない。

中佐は、国家錬金術師の資格について説明し始める。

国家錬金術師になれば、高額な研究費用の支給、特殊文献の閲覧、国の研究施設などを使用することができる。
軍に絶対服従の身にはなるものの、兄弟が国家錬金術師になるメリットは大きい。
元の体に戻る方法に関しての研究も、ここにいるよりは多様な手段を探れるだろう、と。

表向きにはピナコさんに詳細を話すが、実際は兄弟二人に向かって話している。
もちろん、私にも。

「この子らに国家資格を取れるだけの力量があると?」
「エルリック家に残された錬成陣と人体錬成の過程、そして……」

中佐とピナコさんが話し合いを進める中、ゆっくりと扉が開いた。
反射的にそちらに視線をやると、そこには小さな女の子が部屋の様子を覗き、会話を盗み聞いていた。
ロックベル家の娘さんだろうか。
悲しそうな表情を浮かべている。
少女は私の視線に気が付くと慌てて扉を閉めた。
怖がらせるつもりはなかったんだけどな……。




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