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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第14章 鋼の錬金術師







――・アールシャナside――



馬に引かれた荷馬車が、ガラガラガラと音を立てて道を進む。
荷台は私とホークアイ少尉、そしてマスタング中佐が乗っている。
この村に初めて訪れた私達は、リゼンブールに駐在している憲兵にエルリック家のへの道を案内してもらっていた。

「エルリック家にはなんのご用で?マスタング中佐」

そう尋ねる駐在に中佐は「錬金術に長ける兄弟がいると聞いて勧誘に来た」と言った。
勧誘するのに3人もいらないだろうと、ここに来る前に私は中佐に断りの文句を言ったのだが、「君の体温を取り戻す方法を知っているかもしれないぞ」と半ば強制的に連れてこられた。

一年前、兄を生き返らせようと人体錬成をしたが、失敗して私は"体温"を持って行かれた。
平熱は31度と一般的な体温を大きく下回っている。
私は別に体温を取り戻したいとは思っていないのだが、中佐やヒューズさんが「何かと不便だろう」と聞き入れてはくれなかった。
不便なんて、思ったことはないんだけどな。
でも、そんなことを口にしてしまうと彼らは眉間に皺を寄せて困ったように笑う。
その顔は、私は少し苦手だった。

東方司令部とは違い、この村は空が広くゆったりとした時間が流れている。
風も涼しく気持ちがいい。
こんな穏やかな村があったなんて初めて知った。





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