第14章 鋼の錬金術師
だがそこで、扉は閉じられた。
気づいたら、白い空間に戻っていて、オレは無意識に自分の掌を見つめた。
あと少しで掴めそうだった"何か"……。
肩で息をしながら、さっき扉の中で見たものを思い出そうとするけど、断片的にしか思い出せない。
もっと、もっといろんな情報を見ていたはずなのに。
「どうだった?」
白い影がオレに尋ねる。
「…………ものすごい量の情報を脳に直接ぶち込まれたみたいで……、頭がガンガンする……。でも、唐突に理解した。これが……真理……!!」
そうだ。
この扉の中には真理があった。
オレ達の人体錬成の理論は間違っていなかった。
でも足りないんだ……。
この扉の中に必ず人体錬成の真理がある!!
手を伸ばした向こう側に母さんが……、その先にオレの求めている答えがあるはずなんだ……!!
「おねがいだ!もう一度見せてくれ!もう一度……」
「ダメだね」
だけど、そいつは「これだけの通行料だと、ここまでしか見せられない」と首を横に振った。
通行料……?
通行料ってなんだよ……!!
その時、気が付いた。
自分の左足が分解され、白い影―――真理に"持っていかれた"ことに。
言葉を失っているオレに真理は、
「等価交換、だろ?錬金術師」
にっと、満面の笑みを浮かべた。