第14章 鋼の錬金術師
「流れを受け入れて理解したうえで創造する者……。それが錬金術師。世の中は常に大きな流れにしたがって流れている。人が死ぬのもその流れのうち。だから人を生き返らせようなんて事はしてはいけない」
まるで、オレ達が母さんを生き返らせようとしていることをわかっているような師匠の言い方に、オレとアルは何も言えなくなる。
素直に「はい、わかりました」って言えないのは、やっぱりどうしたって母さんに会いたい。
「食事の支度ができるまでさっさと復習をしておきなさい」
この日も、ばかすかと投げ飛ばされて身体に傷を増やしていた。
錬金術の基本をおさらいしていると、ふとアルが師匠に尋ねていた。
「師匠は手のひらを合わせただけで錬成してましたよね。両手で輪を作るのが縁を表してるってのはわかるんですけど、構築式はどこに?」
「私自身が構築式みたいなものかな」
意味がさっぱりわからない。
でも、師匠はそれ以上は語らなかった。
「……真理にたどり着けばできるようになるかもね」
ただ、それだけを呟いて。
リゼンブールに戻ってからもその意味を考えるけど、やっぱり意味がわからない。
両手で錬成もできないし。
師匠も結局真理のことは教えてくれなかったし。
「地道に研究を続けて自分の力で真理にたどり着けって事だよ、兄さん」
「地道に……か。よっし!もう一回人体錬成の理論を組み立てるぞ!」
二人で机を囲んで、人体錬成に必要なものを考えて、錬金術を鍛える日々が続いた。
「早く母さんに会いたいな」
「うん」
毎日は何の問題もなく過ぎていった。
冬が去り、春を超え、夏が過ぎて……。
秋が近くなったその日。
ついに、人体錬成の錬成陣が完成した……!!