第14章 鋼の錬金術師
ダブリスでの本修行を思い出す。
錬成陣の基本は円の力。
円は力の循環を示し、そこに構築式を描く事で力の発動が可能になる。
力の流れと法則を知る事で、あらゆる事に対応できる。
師匠は錬金術の解説を料理本を読みながら教えてくれる。
この間、オレ達は全力で師匠に攻撃をしているのだが、片手間で受け流されている。
「相手の力の流れを知り、それを利用して相手に返す。これも力の循環」
そう言うとアルの攻撃を僅かな力でいなしてしまい、逆にアルが投げ飛ばされていた。
一瞬のことで何が起きたか全くわからなかった。
「体感するのが一番いい」
師匠はにっこりと笑っている。
体で覚えろってことかよ……!!
毎日毎日、毎回毎回、ボロボロになるまで師匠に投げ飛ばされては負ける日々だった。
師匠は修行の時は厳しくて怖いけど、普段はとても優しい人だった。
オレ達の手当てをいつもしてくれるし、ご飯だってたくさん用意してくれた。
体力をつけろとか、筋肉をつけろとか、飯を食うのも修行だとか。
そんなことを言っていた。
飯を食うことが修行とどうつながるのかこの時は理解できなかったけど、腹が減るもんは減る。
だから遠慮せずにたくさん食べて、午後の修行で気持ち悪くなったりもした。