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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第14章 鋼の錬金術師








ふと、無人島の向こう、浜辺の方を見ると煙突から伸びる白い煙が何本か見えた。
向こうではきっとおいしいご飯や温かい風呂を入っているんだろうな。
無人島に来てから飯を食えていないし、風呂も入っていないし、眠れてもいない。
だけど、こんなことで音を上げるわけにいかない。

「ぜってーあきらめねーぞ!あと28日!!」

それからオレ達は雨や風を凌ぐための寝床を作ったり、釣り竿だけじゃなく槍や罠を作ったり、簡単に火を起こせるために枯れ葉や小枝を集めた。
その間も獣男が襲ってくるから、戦って逃げて戦った。
アルと作戦を立ててもうまくいかずに、毎日毎日殴られてはボロボロになって気を失っている。

それでも、なんとか気持ちだけは保っていたけど。
限界はやって来た。

もう何日もまともに飯を食えていない。
水も飲めていない。
空腹はずっとあるのに、腹はいつからか鳴らなくなっていた。

「なぁ……。オレたち、ここに何しに来てんだっけ……」
「……さぁ」

体力はどんどんなくなっていって、思考力も薄れていく。
喋るのすらもう、めんどうだ。

無人島に来てから10日目。
その日は冷たい雨が朝からずっと降っていた。
雨や風を凌ぐための寝床だって簡易的なものだから、全てをどうにかできるものじゃない。
オレ達の体力と体温を簡単に奪っていく。

「……オレたち、ここで死んだらどうなるんだろ」

いやでも考えてしまう。
このまま明日も明後日もそのあともずっと何も食べられなかったらと思うと……。

「いやだよ……。ウィンリィやばっちゃんが悲しむ。ボクだってまだまだやりたい事がある……。こんなの……、錬金術となんの関係があるんだよ!!」

もういやだ、かえりたいって。
アルが泣いてる。
そう、だよな。
かえりたいよな。
オレも、かえりたい。






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