第14章 鋼の錬金術師
「……このぉ!!」
木の板を手にしたアルが獣男に攻撃するも、簡単に木の板は折られてしまう。
そしてそのまま、思い切り腹を蹴られたアルは地面に倒れて気を失った。
「てめッ、よくも!!」
頭に血が上ったオレは何も考えずに獣男に突進するが、身長も体格差もパワーも何もかもが向こうの方が有利だ。
簡単に首を掴まれてしまった。
逃げたくても首をしめられているし、背中に大木があるしで逃げられない。
「俺の島だ。出て行け!!」
低い声で獣男が叫ぶが、「はい、わかりました」って素直に言うことを聞くわけがない。
だって、ここを出て行ったら、
「修行がダメに……くっ、なっちまう……!!」
せっかく錬金術を学べるのに!!
こんなわけのわからない獣男のせいで全部が台無しになるなんて、そんなの嫌だ!!
獣男を睨みつけるようにそう言ったら、首を掴んでいた手の力がさっきよりも強くなって、息ができなくて、意識が遠のいていって―――……。
気づいたら、朝になっていた。
「あーーーいて……。あの野郎……」
汚れた服を湖の水で洗い流す。
アルは腹が減って動けないのか、それとも獣男に蹴られた腹が痛むのか、まだ寝床で伸びている。