第14章 鋼の錬金術師
どのくらい眠っていただろう。
ガサガサという物音で目を覚ました。
空はまだ暗いから、寝てから数時間しか経っていないんだろう。
「アル?トイレか?」
アルがトイレに行きたくて起きたのかと思ったけど、隣でアルは寝てる。
しかも涎垂らして。
じゃあ、あの物音なんだろう。
ぼんやりする頭で考えていると、でかい影がオレを覆った。
影が差した方を向くとそこには、獣みたいな大柄な男がいた。
獣男は手に持っている武器を振り上げ、とっさにアルの首根っこを掴んで自分の方へと引き寄せた。
同時に、さっきまでアルが寝ていた場所に武器が振り下ろされた。
か、間一髪……!!
「ん~~~~~~、なんだよ兄さん。トイレくらい一人で……」
「バカ!!目ェ覚ませ!!」
まだ寝ぼけていアルを叩き起こし、オレ達は獣男から逃げ回る。
隙を見て攻撃をしても、効いている気配が一切ない。
獣男の攻撃を避けるだけで精一杯で、気付いたらアルとはぐれていた。
「なんだよぉ、迷子になってんじゃねぇよぉ……。アル~~~」
独りぼっちになった寂しさと恐怖とで目じりに涙が溜まる。
その時だった。
背後から服を掴まれた。
とうとう捕まってしまった!!
食べられる!!
じたばたと暴れていると「ボクだよ!」とアルの声が。
「アル!?よかった、はぐれたかと……」
「しっ」
弟と感動の再会するも、獣男の足音が聞こえてきて大きな木の影に隠れたオレ達は、お互い声を出さないように口を押さえあう。
体の震えが止まらない……。