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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第14章 鋼の錬金術師








オレの勘はどうやら当たったようで、湖の真ん中にあるヨック島という無人島に着くと、イズミさんはオレ達に一本のナイフを渡した。

「電気なし、井戸なし、雨をしのぐ家もなし。猛獣はたぶんいない。この島で一か月、あんた達二人だけで生きのびなさい」

にこりと笑ってイズミさんはそう言った。
追加で錬金術を使うのも禁止とも。

「なんだそりゃーーーーーー!!!」

これが叫ばずにいられるか。
でっかい研究所で修行するのかと思っていたのに。
読んだことない文献を読めると思っていたのに。
現実は無人島で一か月生きのびろって……。
思ってたのと全然違う!!

イズミさんは一か月たったら迎えに来ると言って、舟に乗って帰ってしまった。

"一は全、全は一"

その言葉を残して。

アルと顔を見合わせた。
お互いに何を考えているのか手に取るようにわかったのはこの時が初めてかもしれない、と思うくらいオレ達の心はシンクロしていた。

この島に着いてから何も口にしていないし、飲み物も飲んでいない。
お腹は空いてるし喉もカラカラに乾いている。
けれど、どうしたらいいのかまったくわからない。

「一日くらい飯を食わなくても人間は生きていけるけど……」
「せめて水くらいは飲みたいよね……」
「とりあえず、今日は寝よう。暗くなってきたし」
「寝るって言っても、どこで?」

アルと一緒に草木しかない地面に目を落とした。
こんなところで寝れるわけがない。
どうしようかと考えていると、でっかい葉っぱがあることに気が付いた。
オレの身長より少し小さいけど、これを何枚も重ねればいいんじゃないか?





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