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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第14章 鋼の錬金術師







アルと二人、母さんの墓の前で座るだけの毎日が続いた。
母さんが戻ってくるわけないってわかっていたけど、何をする気にもならなくて。
そうする以外の考えを持ちあわせていなかった。

「兄ちゃん。おなかすいた」

アルが呟いた。

「さむいし」

秋の風は日が落ちるのと一緒に冷たくなっていく。

「かえろうよぉ」

家に帰らないとばっちゃんやウィンリィが心配する。
どうしたらいいんだろう。
ずっと考えていた。
母さんが死んだ時からずっと。
もう一度母さんに会えるかもしれない方法。
もしかしたらこの方法なら……。

「錬金術の本にホムンクルスっていうのがあるんだ。人間は魂と精神と肉体の三つでできてるんだって」
「うん。ボクもよんだ事ある」
「……お母さんを元にもどせないかなぁ」
「でも、人間を作るのはやっちゃいけない事だって書いてあったよ」

知ってる。
だから、

「二人だけのひみつ」

生命を創りだす事になんの疑いもなかった。
だって、オレ達はずっと母さんの笑顔が見たい。
それしか考えていなかったから。

母さんを元にもどす。
そう決めてからはアルと二人で今まで以上に錬金術の勉強にのめり込んだ。
人体の構成成分や錬金術を勉強すればするほど、一つの疑問が色濃く浮かんでくる。

「そもそもなんで人体錬成は法律で禁止されてるんだ?」

俺の疑問にアルは「う~ん」と眉間に皺を寄せる。





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