第13章 あんたたちの代わりに
「生まれる……」
そう呟いたサテラさんにその場にいた全員が口を開けて驚く。
予定日まではまだ日があると言っていたはず……。
こんなに早く生まれてくること……あるよね!!
赤ちゃんが生まれるということにパニックになるドミニクさんと兄弟。
「静かに!!パニックになってもこの状況は変わりません!!」
「そ、そうだな……。嬢ちゃんの言う通りだ」
私の一喝に、ドミニクさんは多少冷静になったのだろう。
街まで下りて医者を呼んでくると言った。
この雨の中だ、落雷や土砂崩れがあるかもしれない。
だけど、医者がいなければ出産はできない。
不安ではあったが、街まで下りるドミニクさんの背中を黙って見つめるほかなかった。
しかし、数分も立たずにドミニクさんは戻って来た。
街まで行く橋が落雷で落ちてしまったのだ。
「どうしよう……」
「どうもこうも!こういう時こそオレの出番だろ!」
両手を合わせ、地面に手を付くエドワードくん。
青い錬成反応とともに地面が伸び橋が錬成されていく。
これで向こう岸まで届けば……。
だが、途中で橋は自分の重さに耐えきれず崩れ落ちてしまった。
「こちらから一方的に橋を渡すには距離がありすぎます……」
「どうする……。考えろ……考えろ……!!」
フル回転で頭を回すが、いい考えが浮かばない。
橋脚を付けるにも質量保存の法則がある。
それだけの質量の物を錬成すれば、こちら側の足元が足りなくなってしまう……。