第13章 あんたたちの代わりに
フタは錬金術で接着されているらしく開けるのに手間取っているみたいだった。
しかししばらくすれば、パキンと軽い音と共にフタが勢いよく開いた。
エドワードくんのお宝が発見できると思っていたウィンリィさんとパニーニャさんだったが、思っていた反応がない。
もっときゃあきゃあと騒ぐものだと思っていたが。
私も少し気になり、彼女たちの後ろから覗き込むように銀時計を見る。
時計の針は4時1分を指して止まっていて、フタには文字が刻まれている。
「"Don't forget"……。11年10月3日」
なんのことなんだろう。
一体なにを"忘れるな"と言っているのだろう。
私もパニーニャさんもリドルさんもさっぱりだったが、ウィンリィさんだけが思い当たる節があるようだ。
その証拠に彼女の瞳には涙が溜まっている。
きっと聞いてはいけないことだろう。
彼らの中だけにしまっておくべきことなのかもしれないから。
ウィンリィさんは、銀時計を私に渡すと「ドミニクさんにもう一回弟子入りお願いしてくる!」と工房の方へと歩いていった。
なにかを決心したのだろう。
そういう表情をしていた。
と思っていたが、すぐさま彼女は大きな足音を立てて慌ただしく戻って来た。
「リドルさん大変!!奥さんが!!」
緊急事態。
リドルさんの後を追うと、キッチンに座り込んで苦しそうにしているサテラさんの姿があった。
冷汗をかいて呼吸も浅い……。
まさか、これ……。