第13章 あんたたちの代わりに
コーヒーを一口すすると目の端にパニーニャさんが映る。
どうやら機械鎧の付け根が痛むようだ。
エドワードさんも雨が降っていると彼女のように顔を顰めていた。
湿気の多い日や雨の日は低気圧だからそれが関係しているのだろうか。
「ねえ。パニーニャはどうして機械鎧に?」
私も気になっていたことをウィンリィさんが尋ねた。
言いづらいことなら無理に話さなくてもいい、そう言おうと思ったが、パニーニャさんは案外すんなり話してくれた。
どうやら列車事故に巻き込まれたらしい。
「身寄りもない上に歩けなくなったらもう気分は"この世の終わり"って感じよね。地べたをはいずりまわって生きた月日はそんなに長くなかったけど、あたしをどん底に突き落とすには充分な時間だった」
そんな中、彼女はドミニクさんと出会った。
わけのわからないうちに機械鎧の手術を受け、辛いリハビリを乗り越え、そして再び立ち上がることで来た。
「また両足で立てた時は嬉しかったなぁ……。お日様があたたかくてやけに近く感じたよ」
パニーニャさんは言った。
子の脚は生きる希望をくれた。
立って歩いてどこにでも行けると可能性をくれた、と。
「だからあたしドミニクさんが大好き。もちろんリドルさんもウィンリィも機械鎧に携わる人、みんな大好き!」
「そりゃどうも」
「なんだか照れるね」
パニーニャさんの言葉にウィンリィさんもリドルさんも笑った。
私も自然と笑みが零れる。
人と人との繋がりはこんな風に出来上がっていくんだろう。
だったらなおさら……。