第1章 三人の錬金術師
「そうだな。次、探すか……」
ゆっくりと立ち上がり、リオールを去ろうとした時だった。
「そんな……。うそよ……だって……、生き返るって言ったもの……」
「いい加減気づきなさい」
へたり込むロゼさんは崩れた教会を呆然と見つめている。
縋っていたものが急に消え、虚無と絶望に打ちひしがれている彼女に、叱咤の言葉を投げた。
「死んだ人間は生き返りません。絶対に……!!」
「うそよ……。祈れば叶うって……奇跡は起きるって……。………なんて事してくれたのよ……。これからあたしは!何にすがって生きていけばいいのよ!!」
涙を零し、八つ当たりのように叫ぶロゼさん。
本当は彼女も分かっていたのかもしれない。
コーネロのペテンや死んだ者が生き返らないことなど頭ではもう分かっていたが、それでも何かに縋ることでしか自分を支える術がなかった。
縋ることでしか生きていけないなんて、そんなことはないのに。