第1章 三人の錬金術師
「ハンパ物?」
「ああ。とんだムダ足だ」
あの後、アルフォンスくんと合流した私達は、事の顛末を簡潔に述べた。
深いため息を吐いて、地面に座り込むエドワードくん。
「やっとおまえの身体を元に戻せるかと思ったのにな……」
「ボクより兄さんの方が先だろ。機械鎧は色々大変なんだから」
「石が偽物だったことは大変ショックではありますが、一つ確証を得ることができました」
「なんだよ」
さっき、石が壊れた時コーネロは言った。
知らない、何も聞いていない―――と。
つまり、コーネロの後ろには何者かがいて偽物の賢者の石を渡したと言うことになる。
偽物ではあったけど石の威力は充分なものだった。
だが、これは私の憶測にすぎない。
調べなければならないことだ。
「偽物があるということは本物も存在する、という事です。そうでしょう?」
だから私は、そのことを彼等には伝えなかった。
私のこの憶測が確信へと変わるその日まで。