第12章 それぞれの行く先
墓場を後にした私は、中尉にアームストロング少佐を連れて来るように命じた。
その間、私はヒューズを最後に見たというフォッカー大尉に殺害される前の現場と殺害された現場を案内してもらった。
殺害される前、ヒューズは資料室にいたという。
フォッカー大尉が資料室の扉を開けると、室内は大量の資料が床に散乱していた。
「何者かと争ったのか」
「おそらく。室内から廊下へと血痕が残されていました」
その血を辿ると、次にヒューズは通信室に向かったらしい。
電話交換手はハンカチで涙を拭いながら、「電話はかけずにどこかへ行ってしまった」と言った。
そして外の電話ボックスへと行き、殺された……。
軍法鉤所で何かに気づき、所内で通信で来たものをわざわざ外に出てわたしに連絡を取ろうとした。
東方司令部の電話交換手は「軍がやばい」というヒューズの言葉を聞いている。
なんだ、あいつは何を伝えようとしたんだ……。
軍が崩壊するような事態が進んでいるとでも……?
「大佐。アームストロング少佐をお連れしました」
ホークアイ中尉の隣には敬礼をしているアームストロング少佐がいた。
人気のない場所へと移動すると、少佐はゆっくりと口を開いた。
「中佐を殺害したと思われる者達の目星はついております」
「ならばな何故さっさと捕えない!!」
「目星はついておりますが、どこの誰かもわからぬのです」
言っている意味が分からず、私は首を傾げた。
目星はついているのに、何者かがわからないなんてそんな馬鹿な話があるか。
詳しく話してもらおうとしたが、少佐は首を横に振るばかり。
上官が「話せ」と命じているにも関わらず、少佐は頑なに話そうとしなかった。
なるほど、そういうことか。