第12章 それぞれの行く先
その後、ヒューズさんとアームストロング少佐は仕事をするため軍へ戻り、ウィンリィさんはヒューズさん宅へ帰り、アルフォンスくんはホテルの部屋を取りに行き、病室には私とエドワードくんの二人きりとなった。
お医者様から頂いた退院手続きに必要な書類や物を準備し、それをテーブルに置いた。
「明日の10時にアルフォンスくんとウィンリィさんと迎えに来ます。それまでに退院手続きを済ませておいてください。費用と証明書はこちらの封筒に入っています。明日すぐに出発したいというのであれば、私が一度立て替えておきますが、どうしますか?」
「振り込みってできないんだっけ」
「引き落としでしたら手続きすればできますよ」
「じゃあそれで」
「わかりました」
時計をちらりと見ると16時を回っていた。
受付の時間が終了するまではあと1時間あるけど、後回しにして貰えなかったとなると面倒だ。
「書類を貰ってきますね」
他に申請するものがないかも確認するため病室を出ようとした時「」と名前を呼ばれた。
振り向くと何かを考え込んでいるのか眉間に皺を寄せたエドワードくんが私を見つめていた。