第1章 三人の錬金術師
今まで築き上げてきたものを全て壊されたコーネロは怒りのままに杖をガトリングガンへと錬成するが、それよりも早くエドワードくんが自身の機械鎧の腕を刃物へと錬成し、切り落とした。
「言っただろ?格が違うってよ」
勝敗は目に見えているというのに、それでもコーネロは自身の野望を諦めることはない。
往生際が悪いと言うか、下手にしぶといと面倒な事このうえない。
石の力を再び使い、切り落とされたガトリングを錬成しようとした―――その時。
ばちぃ、と鋭い音とともに眩い光がコーネロを包んだ。
気付くと、コーネロの腕はガトリングと融合したように変形している。
「……っぎゃあああああ」
腕に走る激痛にコーネロはその場に蹲り腕を抑え叫び続ける。
私もエドワードくんも理解が追い付かない。
完全な物質である賢者の石がこんな暴走を、リバウンドを引き起こすなんて。
いつまでも叫び続けるコーネロにエドワードくんは「うっさい!!」と頭突きを食らわす。
「腕の一本や二本でギャーギャーさわぐな!!」
騒ぐでしょうよ、腕の一本や二本がああなったら。
という思いはぐっと喉の奥にしまい込んだ。
「石だ!賢者の石を見せろ!!」
コーネロが身につけている指輪には真っ赤な石がはめ込まれているが、それは静かに地面に落ちると、粉々に砕け、そして塵のようになって消えた。