第1章 三人の錬金術師
「あなたを信じていた人たちはとてもがっかりするでしょうね。かわいそうだと思わないんですか」
「信者どもなぞ戦のための駒だ!ただの駒に同情など不要!」
コーネロは胸の内をペラペラと語り出した。
なんてかわいそうな人。
今の自分の現状をわかっていないなんて……。
「くっ……」
笑を堪えようと思えば思うほど、こみ上げてきて抑えることができない。
未だに理解できないコーネロにエドワードくんはスイッチを見せる様に持ち上げた。
何かのスイッチ、窓の外に繋がる配線、足元のマイク。
それらにコーネロは漸く気が付き顔を青ざめるが気付くのが遅すぎた。
アルフォンスくんが錬成したスピーカーからコーネロの絶叫が街中に響き渡る。
コーネロが部屋に来た時にスイッチは押していたから、初めからコーネロの企みは放送されていた。
きっと街中の人たちは呆然としているに違いない。
信じていたものが全て嘘で、自分たちを利用するために作られた神だったのだから、そうなるのも無理ないだろう。