第1章 三人の錬金術師
――・アールシャナside――
アルフォンスくんたちが部屋を出ていったあと、エドワードくんに声をかけられた。
作戦の準備をする彼の眉間は深い皺が刻まれている。
彼が何を聞こうとしているのかは言われなくてもわかっている。
錬成陣なしの錬成。
それだけ見れば、頭のいい彼は嫌でも理解するだろう。
「、あんた人体錬成をしたのか?」
「……はい、しました」
「"アレ"、見たのか?」
「見ました」
隠す事なんてしない。
隠したところで彼等にはもうバレている。
「何を、持って行かれた?」
「持って行かれたのは……」
「小僧どもォォーーー、もう逃がさんぞ~~~」
タイミング悪く、息を切らしたコーネロが部屋に入ってきた。
準備が終わってて良かった。
「もうあきらめたら?あんたの嘘もどうせすぐ街中に広まるぜ?」
無い喰わぬ顔でエドワードくんは話すが、そんな説得であきらめるような男なら、兄弟が姿を見せた時点で終わっているだろう。