第11章 鋼のこころ
「さんはなにか知っていますか?」
「なにを、ですか?」
考え事をしていて2人の話を聞いていなかった。
どうやらアルフォンスくんの様子が変だという話をしていたらしく、ここ最近口数が少なく何かを考え込んでいるようにみえたらから何か知っていないか、と言うものだった。
「詳しい事は何も聞いていません。彼が話したいタイミングで相談してほしいとは言いましたが……」
「そっかー。にもウィンリィにもわかんないかー」
「いつも一緒にいるあんたがわからないんだからあたしにわかる訳ないでしょ」
「そりゃきっとアレだね。"恋わずらい"だね!」
「色ボケ軍曹と一緒にすんな」
「もし恋わずらいだったとしたら彼の場合もう少し浮かれると思いますけどね」
周りにお花が飛んでニコニコと楽しそうにする気がするのは私だけだろうか。
「よしっ、整備終了!」
動作確認をするためぐるぐると肩を回すエドワードくん。
どうやらきちんと治ったようで、不備などはなさそうだ。
あとは彼の退院を待てばすぐにでも出発できるだろう。
計画を立てなくてはいけないな、と考えていると病室の扉が勢いよく開いた。