第11章 鋼のこころ
「そんな!」
病院に着き、エドワードくんの姿を見たウィンリィさんは持っていた荷物を落とした。
「……こんな大ケガで入院してるなんて聞いてないよ!」
「いや、本来はこのケガの半分以下だったのだが……」
プルプルと身体を震わせながら息も絶え絶えにエドワードくんはウィンリィさんに事のあらましを話した。
包帯の原因が少佐にだとわかり安堵するもそれを差しい引いても彼のケガはひどいものに変わりない。
「たいした事ねーよ、こんなの。すぐ治るケガだ」
だけど彼らは何があったかなんて言わない。
今回は特に。
ウィンリィさんはエドワードくんから目を逸らし不安そうな表情で静かに口を開いた。
「……機械鎧が壊れたせいでケガしたのかな……。あたしがきちんと整備しなかったから………」
下を俯くウィンリィさん。
静まり返る病室。
エドワードくんに降り注ぐたくさんの視線。
戸惑うエドワードくんは助け船が欲しいのか、瞳で私に訴えているが私は小さく首を振った。
彼女を不安にさせてしまったのは確かに私の責任でもあるが、今ここで私がフォローするのは違う気がした。
自分の口で彼女を安心させなさい、そう瞳で訴えればエドワードくんは困ったような顔をした後、小さく息を吐きウィンリィさんに向き直った。