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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第10章 【外伝】軍部祭り






そういう訳で、大佐は中央に赴きエドワードくんと戦った。
この目で決着を見たいと、ハボックさんやブレダさんは大佐と共に中央へ向かった。
私はというと、リザさんと一緒に東方司令部に残り、仕事を片付けることに専念した。

静かな執務室は、いつもの数倍仕事がはかどり午後にはほとんど終わってしまった。
そう思うと、いつもどれだけ彼らが仕事をサボっているかが伺える。

「……終わりましたね」
「そうね」
「お茶淹れて来ます」
「ありがとう」

お茶を2人分淹れて、ゆっくりとした時間を過ごす。
会話はないけど、それが心地よかった。
仕事も早く終わりそうだし、もしリザさんがこの後予定なかったらご飯でも行きたいなぁ、なんて考えていたら「」と名前を呼ばれた。

「今日の夜、予定が無ければご飯でもどう?久しぶりにゆっくり話したいわ」
「………私も、同じこと考えてました」

まさか彼女も同じこと考えているとは思わなくて、嬉しくて笑みが零れる。
何を食べよう、どこに食べに行こう。
そんな事ばかりが頭を過る。

「駅前に新しいお店が出たの知ってますか?」
「知ってるわよ。ワインがおいしいってレベッカが言っていたわね」
「どうやらピザもおいしいみたいなんです。ソフィアさんが言っていました」
「じゃあ、決まりね」

顔を見合わせて二人で笑った。
楽しみがあると人間不思議なもので、もう少しだけ仕事を頑張ろうと言う気持ちになれる。



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