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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第10章 【外伝】軍部祭り






――・アールシャナside――



これは、エルリック兄弟の護衛になる前の話。
1年くらい前のことになるだろうか。
いつものように変わらず仕事をしていた時だった。

ふと、ハボック少尉が放った何気ない一言がまさかあんなお祭り騒ぎになるとは誰も予想しなかっただろう。

「―――なあ。マスタング大佐とエドワードってどっちが強いんだろうな」

単なる興味に近いものだった。
史上最年少の国家錬金術師という肩書を持っているエドワードくんとイシュヴァールの英雄と称えられたマスタング大佐、同じ国家錬金術師としてどちらが優れているのか。
気になる人は気になるようで、フュリー曹長やファルマン准尉、ブレダ少尉はハボック少尉の疑問に何気なしに応えた。

「そりゃあ大佐でしょう」
「いや、鋼のもあなどれんぞ。体術はかなりのもので錬金術のバリエーションも富むと聞いてる」
「接近戦に持ち込んだらエドが有利か?」
「なぁ、中尉はどう思う?」
「………私を巻き込まないでください」

どっちが強いとか興味がない。
興味があるとすれば仕事をきちんとしてくれるか、面倒な問題を起こさないか、それだけ。

だけど、男というものは勝負や賭け事好きが多いらしくすぐにその話は東方司令部内に広まった。



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