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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第1章 三人の錬金術師




「くくっ……。神に近づきすぎ地に落とされた愚か者どもめ……」

コーネロは持っていた杖に触れた。
法則を無視した杖は錬成反応を示し、ガトリングへと変わった。
無数の凶弾がボク達に向けられるが、兄さんが錬成した壁によって銃弾は全て防がれた。

「いや、オレって神様に嫌われてるだろうからさ。行っても追い返されると思うぜ!」

兄さんが壁を作って銃弾を防いでいる間に、ボクはロゼを奪還し、さんが開かない扉を開けようと奮闘していた。

「バカめ!!出口はこっちで操作せねば開かぬようになっておる!!」
「そうですか。じゃあ……作ればいいだけの話ですね」

即座にさんは拳銃を腰のガンホルダーにしまうと、両手を合わせて壁に手をついた。
そこにできるのは新しい扉。
やっぱり、さんは人体錬成をしたんだ。
今すぐききたいことがあるのに。
今はそれどころじゃないのがモヤモヤする。

ボクたちの前に立ちはだかる教団の信者たちをなぎ倒していると、兄さんとさんが足をとめて部屋の中を覗いていた。
どうやら兄さんたちが見ていた部屋はコーネロがラジオで教義するための放送室だった。

「ほほーーーう」

顎に手を添えて何かを思いついた様な顔をする兄さん。
この場合大抵はいやらしい事を考えているに違いない。

兄さんが思いついた作戦を聞いて、ボクもさんも同じ顔をして「いい性格をしていますね」と言われ「そうか?」と照れくさそうに兄さんは笑ったけど、それはきっと誉め言葉じゃないと思う。


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