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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第9章 第五研究所






「……賢者の石についてか?」
「それとあなたがたの目的も教えていただきます」
「知ってる事洗いざらい吐きな」
「言えんな」
「おいおい、負け犬が気張るんじゃないよ」
「はっはっはっは!まだ負けてなどおらん」

その言葉と同時に後ろから聞こえた金属の音に私もエドワードくんも目を見開いた。
瞬間、私の視界に真っ赤な鮮血が映った。
まるでスローモーションのような光景に私は声をあげた。

「エドワードくん!!」

彼の脇腹からは大量の血が流れ出た。
なんで、どういうことだ。
だって確実に魂は頭にあったはずなのに。

「ひとつの鎧にひとつの魂とは限らねーだろ」

頭のない胴体はゆっくりと私達に近づきそう言った。
彼らは言った。
スライサーという殺人鬼は兄弟二人組の殺人鬼だったと。

「さぁ、第2ラウンドというこうぜ、おチビさんにお嬢ちゃん」

錬成をする間もなく、男は私達の間を詰める。
先ほどの出血と疲労でエドワードくんは上手く立ち回ることができないようで、腹部に打撃を受けてしまった。
私は自分の脚から流れる血を錬成し、短い剣を握った。
エドワードくんを護るように彼の前に立ち、男の動きに集中していると、後ろにいるエドワードくんが何やらブツブツと呟いていることに気が付いた。

「、アイツが動いたら、ギリギリのところで避けてくれ」

何か考えがあるのだろうか。
尋ねている時間はない。
私も彼も体力が限界に近い。
私は小さく頷き、彼に全てを委ねた。

「作戦会議は終わったか?」
「ええ。存分に殺し合いましょう」
「いいねぇ、生きていたらあんたみたいな女と付き合ってみたかったぜ」
「そうですか。私はごめんですね」

言い終わるのと同時に男は動き出した。
私はギリギリまで男を引き付け、身を低くし瞬時に身体を右サイドへと避け、視線を後方へと向ける。
すると、青白い光が放たれると鎧の身体は二つに破壊され地面に転がった。



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