第9章 第五研究所
「それまで少尉と軍曹はこの事は他言無用!中尉は引き続きエルリック兄弟の護衛を!!エルリック兄弟は大人しくしているのだぞ!!」
「ええ⁉」
予想していなかった展開にオレもアルも叫んだ。
ここまで来てなにもしないとかありえないだろ!!
「むう!!さてはおまえ達!!この建物に忍び込んで中を調べようとか思っておったな!?」
心臓がドキーンと跳ね上がった。
まさか見透かされているとは。
この目で確かめないことには落ち着かないのが性分なのに。
だけど、ここで駄々をこねたら少佐の暑苦しい説教や行かせないための拘束などがされそうで、仕方なしに従った。
「そんなあぶない事しないよ」
「ボク達、少佐の報告を大人しく待ちます」
ははは、と笑って見せると少佐はにこりと笑って部屋を後にした。
扉が閉まったのと同時に「いつからそんな聞き分けよくなったんですか?」と嫌味たっぷりにが笑った。
「大人しく報告を待つ、だなんてあなた方ができるとは思いませんが」
「止めても無駄だぜ。オレ達は―――」
「誰が止めると言いましたか。行くのなら、私も一緒です」
思ってもいなかった返答に目を丸くする。
絶対止められると思っていたのに。