第9章 第五研究所
テーブルの上にセントラルのマップを広げる曰く、軍の下にある錬金術研究所はセントラル市内には現在4か所だと言う。
そのうち、マルコーさんが所属していたのは第三研究所だと言う。
「ここが一番あやしいな」
普通に考えればそうだろう。
だけど、市内の研究所はオレが国家資格取ってすぐに全部回ってみたけど、第三研究所はたいした研究はしていなかった記憶がある。
その時、オレはとある印を見つけ指さした。
「この建物は?」
そこだけ赤くバツ印が書かれている。
「以前は第五研究所とよばれていた建物ですが、現在は使用されていないただの廃屋です。崩壊の危険性があるので立ち入り禁止になっていますが」
ロス少尉の説明に確証を得た。
第五研究所の隣は刑務所になっている。
「賢者の石を作るために生きた人間が材料として必要って事は、材料調達の場がいるって事だ」
「なるほど。死刑囚は処刑後も遺族の方に遺体は返されませんから、表向きには刑務所内の絞首台で死んだ事にしておいて、生きたままこっそり研究所に移動させ、そこで賢者の石の実験に使用したと……」
「ああ。そうすると、刑務所に一番近い施設があやしいって考えられないか?」
「……囚人が材料……」
嫌な顔をするロス少尉だが、その気持ちは分かる。
説明してるオレも嫌な気分になっているから。