第9章 第五研究所
「皆さんお集まりで、何か話されていたんですか?」
「いえ、ただあのようなことがありましたので、真実とは残酷だなと……」
「ああ、なるほど」
は気にする素振りも見せなかった。
その態度が余計にオレの心を苦しくさせる。
「大概そんなもんですよ、真実なんて。そうでしょう、エドワードくん、アルフォンスくん」
そう言ってはオレたちに視線を向けた。
やけに含みを持たせたような言い方にオレは首を傾げる。
なんだ、この違和感。
思考を巡らせて、オレははっと顔をあげた。
「"真実の奥の更なる真実"…………。そうか……。まだ何かあるんだ……何か……」
「とりあえず、ここで話すのはあまりにも不適切ですので、フロント方に事情を説明し空いている部屋に移動させていただきましょう」
はぶっ壊れた扉を指さした。
確かに不用心すぎるし、誰かに聞かれても困る。
フロントにはとアームストロング少佐が出向き、俺たちは少しの間この吹き抜けの部屋で待機。
数分もすれば別の部屋に移動することができた。