第9章 第五研究所
――エドワード・エルリックside――
賢者の石の材料が複数の生きた人間だった。
その事実にオレもアルもすべての気力を奪われてしまった。
あの後、閉館時間が過ぎているからと、片づけは私がやるからと、がオレたちに気を遣ってくれた。
ブロッシュ軍曹がホテルまでオレたちを送ってくれたけど、口を開く気にもなれなくて、オレはふて寝をするようにベッドに転がった。
だけど、寝れるはずもなくただぐるぐると途方もない自問自答を繰り返すだけで、気付けば朝を迎えていた。
メシは必要最低限は食ったけど、食欲は湧かなくて、結局半分以上残してしまった。
真実を知った日から3日が過ぎた。
オレはホテルから出る気もなく、ただぼんやりと部屋に閉じこもっているだけだった。
昨日、オレたちを心配してくれたが来たけど、何を話していたか覚えていない。
ただ、少しだけ目元が赤くなっていたような、そんな気がする。
「………兄さん。ごはん食べに行っといでよ」
「いらん」
昨日から何も口にしていないと言うのに、腹は減っていない。
なにも食べたくない。
ずっとこの調子だ。