第8章 賢者の石
「これって、"人体の構成成分"……だよね」
「それだけじゃありません。これを見てください」
私は解読できた暗号を読みやすくするために、一枚の紙に綺麗にまとめ、兄弟の前に差し出す。
解読したから間違いではない。
間違いではないはずなのに、もうすでに頭の中ではわかっているのに、間違いであって欲しいと願わずにはいられない。
"真実の奥の更なる真実"
マルコーさんの言葉が頭の中で繰り返された。
アルフォンスくんは力が抜けたように椅子に座り、私もこの感情をどこにぶつけたらいいかわからずに、ただ拳を強く握り締めるしかできなかった。
「………ふっ……ざけんな!!」
その時、唇を噛みしめていたエドワードくんが叫んだ。
感情が爆発した、というよりは感情を抑えることができなかったと言った方がいいのか。
彼がこうして感情を素直に吐き出してくれるおかげで、私は少なからず冷静になれるし、救われている。