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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第8章 賢者の石






「兄さん……、これマルコーさんに直接訊いた方がいいんじゃ……」
「いや!これは"これしきのものが解けない者に賢者の石の真実を知る資格なし"というマルコーさんの挑戦とみた!なんとしても自力で解く!!」

そう意気込むもエドワードくんは落書きをするばかりで暗号を解いているようには見えない。

「一度休憩にしましょう。何か飲み物を買って来ます。エドワードくんは何か飲みたいものありますか?」
「じゃあ……」
「あの……」

席を立ち会議室を出ようとした時、扉が開いた。
入ってきたのは、マルコーさんの資料を全て複写してくれたシェスカさんだった。
どうやら、エドワードくんが渡した金額で病気の母親を大きな病院に移すことができたようで、そのお礼に来たらしい。

「それにしてもあんなに沢山いただいてよかったのかしら」
「気にしないでいいよ。この資料の価値を考えたらあれでも安いくらいだし」

シェスカさんにこの資料がどのくらい重要なものなのか、かいつまんで話した。
流石に賢者の石の事は言わなかったが。
ただ、この資料に書かれた暗号を読み解けば彼らが欲しい物が手に入る、とだけ伝えた。

「で……、解読の方は進みましたか?」
「…………見てのとおりです。シェスカさんは仕事の方は見つかりましたか?」
「…………………見てのとおりです」

その場にいる全員違うベクトルでダメージを負ってしまった。



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