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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第8章 賢者の石






解読をはじめて3日。
進展は一つもない。

頭を悩ませながら、ペンを走らせるエルリック兄弟の周りには丸まった紙がいくつも転がっている。
私も解読作業を手伝っているが、暗号を読み解くのがこんなに難しいとは思わなかった。

少しでも彼らの力になれたらいいのだけど……。
私は少し悩んだ後、しばらくの間席を外すことにした。

「どこに行くんだ?」
「とある場所に行ってきます。何がどう役に立つかわかりませんが、手は尽くすだけ尽くします」

そう言って、私は中央図書館を後にした。
そして向かった場所は中央司令部。

「おお、これはアールシャナ中尉ではないか」
「アームストロング少佐、先日ぶりです」

中に入ってすぐに少佐と出くわすなんてなんていいタイミング。
私は少佐にヒューズさんがいるかどうかを聞くとちょうど軍法会議所で、忙しくしているとのこと。
どうやらここ最近の事件などで慌ただしいらしい。
それに加え、タッカーさんの件も片付いていないしスカーの件もあり、人手が足りないと言っていた。


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