第1章 三人の錬金術師
「ロゼの言ってた教主の部屋ってのはこれか?」
「たぶん、そうだと思います」
あの後、私と兄弟はロゼさんから教主の部屋の場所を教えてもらい、今現在その部屋の前にいる。
自動的に開く扉はどうやら私達を歓迎してくれているようだ。
中へ入ると扉は自動的に閉まり、そしてコーネロが姿を現した。
「神聖なる我が教会へようこそ。教義を受けに来たのかね?ん?」
「ああ。ぜひとも教えてほしいもんだ。せこい錬金術で信者をだます方法とかね」
エドワードくんがそう言うも、コーネロは白を切る。
彼の無駄話に付き合ってあげる程、優しい人間ではないし、そもそもそんな義理もありはしない。
エドワードくんはコーネロの話などに一切耳を貸さずに核心をついた。
「"賢者の石"、使ってんだろ」
余裕の笑みを浮かべていたコーネロの表情が変わり、額に汗が滲む。
「たとえば、その指輪がそうだったりして?」
「嘘はもう通用しません。認めた方が楽になると思いますが」
そう言うと、コーネロはあっさりと認めた。
逃げられないと判断したのか、それとも石を使えばこの場をどうにかできると思ったのだろうか。