第7章 家族の待つ家
――・アールシャナside――
「ん……」
窓の外から差し込む日の光で目を覚ました。
ぼんやりとする視界の中、ゆっくりと身体を起こす。
ここは、ピナコさんが用意してくれた部屋……。
私、いつの間に部屋に戻って来たんだろう。
というか、いつ寝たんだろう。
なにも、思い出せない。
でも、そっか……。
私、寝ていたのか。
怖い夢、見なかったな。
いや、見てはいた気がする。
でも全然怖くなかった。
誰かがそこにいてくれたような気がしたから。
あんな夢、初めてだったな。
「……朝ごはん!!」
ボーっとしていた思考回路が一気にクリアになり、私は慌ててベッドから降りた。
急いでキッチンへ向かうと、ちょうど朝ごはんを食べ終えたのか食器を片付けている彼らの姿があった。
「あ、さん。おはようございます!」
「お、おはようございます……」
「さんの朝ごはん、取っておきましたよ」
「あり、がとうございます……」
ウィンリィさんの言う通り、一人分の朝ごはんがテーブルには置かれていた。