第7章 家族の待つ家
しょうがない。
どうにかしてを抱きあげるか。
そう思っていると、うっすらと彼女の目が開く。
寝ぼけているのか、ぼんやりとしているように見える。
「、起きろ。寝るなら部屋で寝ろよ」
「お、にいちゃん……?」
「は?」
オレを兄貴と見間違えているのか、は甘えるように腕をオレの首に回してネコのようにすり寄ってくる。
どくどくと心臓が脈打つ。
さっきとは違う鼓動に戸惑ってしまう。
熱が顔に集まってくるのがわかる。
いつものからは想像ができないほど、緩みきった笑顔に自分でもよくわからない感情がこみ上げ、指一本動かすことができない。
どうしたら、いいんだ……。
今にも頭が爆発しそうだ。
早くここから立ち去りたい気持ちが溢れだし、オレは彼女の身体をどうにかこうにかして背中に乗せた。
身長の割に軽い体重に少し驚いた。
見た目は平均位ありそうなのに。
片腕で彼女の身体を支えて、オレは急いでの部屋に向かった。
その間、彼女が起きる気配はなかった。
随分と深い眠りについているんだな。
ベッドに横にさせてオレも部屋に戻ろうとした時、服の裾を掴まれていることに気が付いた。
そして、の頬が濡れていることにも。
「ごめ、ん……なさ、」
何度も何度も謝る彼女の姿は痛々しい。
夢の中で誰に謝っているんだろう。
人体錬成をしてしまったことだろうか。
兄を生き返らせることができなかったことだろうか。
それとも……。
そこまで考えて首を横に振った。